貧乏だけど中学受験〜しました2023〜

共働き子沢山家庭。長女・桜子を中学受験させるか悩みつつ、奮闘したブログです。3年生9月から日能研通塾し見事合格しました!

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女子中学受験生に超オススメ!『らんたん』感想/桜子が最近読んだ本(6年生12月)

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昨日、年内最後の通常授業を終えて帰ってきた桜子。

「社会、満点だった(o^^o)」

とご機嫌でした。
もう授業はほとんどテスト形式らしいですよね。
塾でもテスト、家でも過去問という名のテスト。
本当にテスト三昧です。

でも今週末はいつぶりか分からない「テストのない週末」です!
過去問はするけど、ちょっと一息つけますかね。

さて、今日は12月に入って2週間ほどで桜子が読んだ本についてです。
桜子にしては時間かけました。
忙しくて読む時間が取れないのもありますが、作品が超巨編(普通の本2~3冊分??)だったのもあるかも(;^ω^)
小さい文字みっちりで約500ページですw

前回の桜子が読んだ本(6年生11月)はこちら↓
binbojuken2023.hatenablog.jp

今ごろ『らんたん』を読んだ理由


読んだのは『らんたん』という作品です。
柚木麻子さんの小説で昨年の11月に出版されました。
図書館で予約待ちしてやーーーっと回ってきましたw
随分前に予約したので、もはやなんでこの本を予約したのかきっかけも覚えていません(;^ω^)
誰かが中学受験生にオススメ的に紹介していたのだったか、どうだったか・・・。

で、ほぼ前情報なしに親子で読みましたが、

「さっさと買って読めばよかった」

と感じました。
とにかく、首都圏で中学受験する女子にはかなりおすすめです!
特にキリスト教系の女子校、伝統校を受験予定の子!
なんで我が家買ってさっさと読まなかったんだろ、ちょっと後悔です。

とはいえ、読んだのが6年生の12月、というのもタイミング的には良かったと言えば良かったかも。
詳しくは後述しますね。

『らんたん』/柚木麻子 の魅力

昨年11月発売ということで、2022年入試には出題されなかったようです(ざっと調べた感じ)。
2023年入試も出版タイミング的には微妙ですが内容的には出題されてもおかしくない感じです。

でもそんなことは関係なく、女子中学受験生にはオススメです!
もちろん男子にもオススメ!
この本が楽しい、興味深かったと思ってくれる男子は将来有望です!

小学館の紹介文↓

大正最後の年。かの天璋院篤姫が名付け親だという一色乕児は、渡辺ゆりにプロポーズした。
彼女からの受諾の条件は、シスターフッドの契りを結ぶ河井道と3人で暮らす、という前代未聞のものだったーー。
女が手を取り合えば、男はいつか戦争ができなくなる--。明治、大正、昭和。女子学校教育の黎明期。シスターフッドを結んだふたりの女性が世界を変える。構想5年、「BUTTER」著者が放つ、女子大河小説。

上の紹介文だけ読んでもさして惹かれないかもしれません。
じゃあこう言い換えましょう。

主人公の一人・河井道は恵泉女学園の創立者。
シスターフッドを結んだ一色ゆりとともに、女子学校教育の黎明期を奮闘する姿を描いた小説。

どうでしょうか、首都圏で中学受験する、特に女子伝統校を目指している子にはきっと刺さると思います。
いわんや恵泉志望者をやです。

実際の出来事がすべてベースになっているようで、出てくる人物もほぼ全員実在した人物です。
これまた明治、大正、昭和前期の偉人・有名人がわんさか出てきます。

魅力①中学受験生が知ってる学校がたくさん出てくる

まずはこれ。
首都圏の中学受験生にはなじみのある学校がたくさん出てきます。

  • 東洋英和
  • 日本女子大
  • 実践女子
  • 恵泉
  • 学習院
  • 津田塾

特に都内女子校志望者にはよく知った名前がたくさん出てきます。
同時に具体的な名前は上がらなくても、自分の憧れ校もこの頃設立されたんだよな、こんな苦労もあったのかもな、なんて想像することも。

魅力②歴史上の偉人がわんさか出てくる

続いてはこれ。
本当にたくさんの明治・大正・昭和の偉人が出てきます。
歴史の復習にももってこいです!(5年生だとまだ知らない人が多いかも・・・)
・天璋院篤姫
・伊藤博文
・大久保利通
・津田梅子
・大山捨松
・有島武郎
・広岡浅子
・平塚らいてう
・市川房江
・村岡花子
・柳原白蓮
・徳富蘆花
・神近市子
・波多野秋子
・与謝野晶子
・山川菊栄
・本郷新
・太宰治
・石井桃子
・マッカーサー
・白洲次郎
・吉田茂

などなど。

お札になっている人も多いですね。
朝ドラファンの人にはなじみの名前も並んでいます。
大河ドラマファンにとってもそうですね。
中学受験では習わないような人もたくさん出てきますが、多くは習うことになるぐらいの有名人ばかり。
日能研生なら6年生の歴史を習った後のタイミングの方が最適かもしれません(日能研の5年生の歴史ってすっごく浅いもんで)。
物語を楽しみながら歴史も学べちゃいますw

魅力③伝統校の成り立ちやキリスト教系学校の良さが学べる

恵泉志望者ならば絶対読むべき本ですが、そうでなくても都内伝統校志望者なら読んで損ナシ。
特に女子校。
どういう思いで女子教育というものが日本に種がまかれ発展していったのかがよく分かります。
そして、そんな熱い思いのもと作られた学校にぜひとも通ってほしい(と親なら)思うんじゃないでしょうか。
伝統校に惹かれるのはこういう面もあるんですよね~。
先輩方から脈々と受け継ぐ文化というか、風土というか。

また、キリスト教系学校というものに偏見がある人はぜひとも読んでほしいと思いました。
主人公の道が生涯をかけて作り守った恵泉、どうして根底にキリスト教があるのかがよく分かります。
多くの女子伝統校の背景にキリスト教があるかもすごくしっくり理解できました。

当時の日本で「女子」は「一人前の人間」として扱われていなかったんですね。
それに異を唱えていたのがキリスト教の教えだったというわけです。
「良妻賢母」のためではない学校。
「女子教育」のための学校。
そのきっかけにキリスト教というものがあるのはすんなりと理解ができました。

作中に何度も描かれる、道の「シェア」という精神。
素晴らしい考え方。
この考え方の根底にもキリスト教がありました。

魅力④シスターフッドやジェンダーについて学べる

この本、出てくる人も時代背景も古いというのに、とっても新しい考え方であふれています。
本が新しいからだけではないと思います。
主人公の道とその周りに進歩的な考えの人が多かったからだと。

フェミニズム界隈ではよく耳にする「シスターフッド」という言葉。
直訳すれば「女性同士の連帯」ではありますが、一体これはどういうことなのか。
そして、どういった力を持つのか、ということが物語を通してすんなりと理解できるはず。

そしていまだに達成できているとは言い難い「ジェンダー平等」について。
それでも本の中の明治大正昭和の女性たちに比べればだいぶ理想には近づいているのでしょう。
それはまさに登場人物たちによる血のにじむような努力があってこそです。
女性が見ている世界と男性から見えている世界、どんな風に違うのか。
ぜひ女の子だけでなく男の子にも読んでほしいですねえ。

魅力⑤私学の良さがよく分かる

物語の後半は主人公の道が作った「恵泉」の学園生活がたくさん描かれます。
それが本当に楽しそうで、読んでいるこっちまで楽しくなります。
私学だからこその良さがビシバシ伝わってくるんですよね。
アットホームで明るくて、お勉強が好きで、行事のとっても多い恵泉。
当時近所に住む親だったらぜひ娘を通わせたいです。
今も同じ感じなんでしょうか?

子どもが読んでも楽しい中学高校生活に思いが馳せられるのではないでしょうか。

魅力⑥作者は恵泉の卒業生

作者は実は恵泉の卒業生なのだそうです。
自分の学校、その設立者の生涯を題材に魅力いっぱいの小説に仕上げたのは、やっぱり自分の学校が本当に好きだったからですよね。
そしてその設立者のことも自慢だったはずです。
母校愛にあふれていますよね。
卒業以来一度も母校に足を踏み入れていないちゅりぷ子と真逆です(;^ω^)

桜子にもできたら母校愛が芽生えるような学校に進学してもらえたらいいなあと思います。

桜子の感想

とにかく有名偉人や知った学校名が全編たくさん出てくるので、超巨編でしたがまったく飽きずに読めたようです。
ますます女子伝統校へのあこがれが強くなってしまった模様(;^ω^)
頑張ってどこかに進学できるといいけど。

「歴史の復習にもなったわw」とも言っていました。
人物だけでなく、歴史的な出来事もたくさん描かれていますからね。
岩倉使節団、札幌農学校設立、青鞜出版、関東大震災、昭和恐慌、五一五事件、日中戦争、太平洋戦争などなど。

楽しみながら学べていいですね(って6年生の12月に言ってる場合ではないですがw)
まあ、クリスマスの場面が何度も出てくるので、読む季節としてはぴったりだったかもしれません。
表紙もクリスマスツリーが描かれていますね。

恵泉、志望校にすればよかったな

恵泉、一度も学校見学に行かなかったことがとても悔やまれます。
というか、志望校の一つにしたらよかったなあ。
もう今更なんですけども。

桜子も「恵泉、見学いけばよかった~。図書館に惹かれてたのに・・」と残念そうでした。
去年の今頃読んでたらね・・・。
ケチらず買うべきでした。
後悔先に立たずですね。

恵泉を、第一志望ではなくとも併願校の一つにしているのであれば、読んで損ナシです!
読んで、もっと設立者の河井道先生についてしりたくなったら、他にもたくさん本が出ている模様です↓

とにかく読後感の良い終わり方で、読むだけで元気がもらえること請け合いです。
ポジティブな気持ちになれますので、親子での読書、オススメですよ!