貧乏だけど中学受験〜しました2023〜

共働き子沢山家庭。長女・桜子を中学受験させるか悩みつつ、奮闘したブログです。3年生9月から日能研通塾し見事合格しました!

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中受親必読!?『翼の翼』の感想

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中受界隈で騒がれている『翼の翼』、満を持して?読みました!
もういろんな思いがあふれ出てきましたよ!
おすすめでもあり、読む前に覚悟がいると思ったり・・・。
ちゅりぷ子の感想をつらつら書いてみたいと思います!

『翼の翼』あらすじ概要、作者について

Amazonでの内容説明↓

専業主婦、有泉円佳の息子、翼は、小学二年生で中学受験に挑戦することになる。
有名私立の中高一貫校を受験した経験のある夫真治と、それを導いた義父母。
中学受験にまったく縁のなかった円佳は、塾に、ライバルに、保護者たちに振り回され、世間の噂に、家族に、そして自分自身のプライドに絡め取られていく。
入試問題頻出作家が、過熱する親の心情を余すところなく描いた、凄まじき家族小説。

作者は朝比奈あすか先生

Amazonのあらすじの最後の一行に書いてありますが、作者の朝比奈あすかさんは中学受験の入試問題頻出作家の一人です!
一番有名なのはやっぱり『君たちは今が世界』かな?

いつの間にか文庫化してますね。
桜子も以前読みましたが、とにかくリアルな描写が引き込まれてしまうお話です。
そしてちょっぴりダーク。
現実の暗黒部分にあえて焦点を当てるのがうまいと言いましょうか。
桜子も続きが気になると、一気読みしてしまっていた覚えがあります。
binbojuken2023.hatenablog.jp
『翼の翼』はそれの大人版。
大人の中でも中学受験界隈の人の心を大きく揺さぶるお話。
決して希望に満ちた楽しいお話ではないですよ。

3章構成

第一章 八歳
第二章 十歳
第三章 十二歳

章立てが上手です。
主人公・円佳の息子である翼の、2年生時、4年生時、6年生時が1章ごとに描かれるんです。
中学受験のメイン学年、4年生、5年生、6年生じゃないところがミソ!
時間が飛ぶことで事態の深刻さ、急展開に読者は翻弄されます。

リアル中受親の『翼の翼』感想

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さあ、ちゅりぷ子の感想です。
本当はリアルで誰かと語り合いたいところw
ですが、そんなことできる人もいないので、感想をぶちまけたいと思います。

覗き見されているかのような薄ら寒さ

もうね、読んでいる間中(夢中になって2日で読んだけども)、すごーく居心地が悪いんですよ。
円佳に、周辺親に自分を感じて!!
「これ、私のことじゃん?」とかビシバシ感じるんです。
円佳の行動、気持ち、いろんなところに共感しすぎて、作者に内面を覗き見されている気分になります。

絶対に他人に見せたくない部分、他人に知られたら死にたくなる部分、ブログにすら書けない部分がすべて暴かれている!!

そんな気分にさせてくれます。
それはまさに今、円佳と同じように子どもを中学受験に向けて塾に通わせているためです。
同じ状況にある多くの方が同じ気分になるんじゃないでしょうか?

とりあえず、当事者の方が読む場合、愉快な小説ではないことは断言しておきます。
ずーんとします、心が。
人によっては本を投げ出すかも。
先が読めずにドロップアウトする方もいるかもしれません。
ちゅりぷ子は先が気になりすぎて一気読みしてしまいましたけどね。

中学受験のリアルがこれでもかと描かれている

この小説はフィクションながら、中学受験のリアル、あるあるが隅々まで描かれています。
スポーツは応援してもらえるのに、塾通いは批判される。
ママ友間で感じる、子どもの優劣、謙遜、隠しきれない好奇心・・・。
『二月の勝者』の島津父のような人物も登場しますよ!

気軽な気持ちで開始した塾通い、やがて親子を家庭をとんでもなく大きくゆがめていく・・・。
それはまあ醜いです。
目を覆いたくなります。
でもきれいなもので包むより、いっそすがすがしい!
そうなの、これが現実なの!!

ちゅりぷ子はこの手の、殺人も何も起こらないけどグロテスクな小説、大好物ですw
人間のダークな部分を描いた作品大好き!
なんですけど、『翼の翼』は圧倒的当事者意識で純粋にエンタメとして楽しめませんでした。
こころ、えぐられました。
私子供に何をさせようとしているんだろう、いったい何のためにさせているんだろう、とも感じてしまいました。
ここ最近読んだ中で一番かも、この衝撃度合い。

母×娘はまた違う気がする

でもですね、もちろんまったく共感できないところも多いんですよ。
よくわかる分、円佳を批判・否定したくなる箇所もたくさんあります。
「ああ、それ言っちゃダメなヤツ!」とか「それは成績下がるパターンでしょ」とかw

あと、円佳の子ども翼は男の子なので、ちゅりぷ子が桜子に抱く感情とはまた違うんですよね。
円佳は翼に疑似恋愛とでもいいましょうか、小さな恋人のように感じていたり接していたりする部分があります。
はっきり言って、円佳の翼に対するそのような気持ちや描写は気持ち悪いです。
でも同時に、ちゅりぷ子にも息子がいるので、「あ、ちょっとわかるかも」という気にもさせられます。
父親の方が読むとたぶん、ひたすら気持ち悪いんじゃないかしら(;^ω^)

それと、「一人っ子」なところもポイントかも。
中学受験は専業主婦×一人っ子が最強だと思うと、以前ブログでも書いたんですが、
binbojuken2023.hatenablog.jp
一人っ子であることが、円佳を翼の中学受験にのめりこませてしまうんですよね。
もう世界が翼一辺倒といいますか、超狭いと言いますか・・・。
一人っ子であることを強みにだけ使えばいいものを、これはいただけないですね。
翼に兄弟がいればまたちょっと違ったのかもしれません。

入塾時に配ったらどうかな?

読み終わって感じたのがですね、中学受験塾で配ったらどうかな?というものでした。
いや、絶対に配らないとは思うんですけど、「中学受験ってどんなもんかな~?」ぐらいのノリでやってきた保護者にぜひとも読んでほしいと思いました(過去の自分です!w)。
これが、中学受験だ!そのダークサイドだ!というのがとってもよくわかると思います。

・・いや、もしかすると桜子が5年生後期に突入した今読んだからわかるのかもしれません。
未経験低学年の親だったら「フィクションでしょ」「うちに限ってこうはならない」という感想しか出ないかもしれません(;^ω^)

でもですね、この『翼の翼』と先日紹介した『金の角持つ子どもたち』をセットで入塾時に渡すといいと思うんですよね。

光と影、というか良い面と悪い面どちらも味わえると思います。
どちらにも形を変えて描かれている「中学受験の過酷さ」は知った上で、覚悟を決めて開始するのがいいと思うんです。

子どもには読ませちゃダメ!

我が家は『金の角持つ子どもたち』は桜子に読ませました。
binbojuken2023.hatenablog.jp
中学受験が肯定的に描かれているので、『金の角』は子どもに与えてもOKかなと思います。

でも『翼の翼』はダメ!絶対!と感じます。
子どもが読むような小説ではないです。
大人が大人のグロテスクさを楽しむ(?)小説です。

桜子にはもちろん読ませていません。
こっそり隠れて読みました。
最後は少し希望の持てる終わり方ではあるんですよ。
でもダメ。
過程が醜すぎます。
絶対に子供に知られたくないです。

朝比奈あすかさんはリアル中受親経験者!

この小説のすごいところはとんでもなくリアルなところなんです。
もう円佳と翼が近所に、同じ塾にいるんじゃないかと感じるほどに。
もう、誰かのノンフィクションなの?という感じ。
そしたらですね、作者のインタビュー記事を見つけました。
veryweb.jp
そうなんですよ。
中学入試問題頻出作者である朝比奈先生は、中学受験を子供にさせた経験があったんだそうなんです!
そう、円佳はある意味先生の分身(もちろん詳細は違うと思いますよ)。

といっても、実際お子さんが中学受験されたのはちょっと前のことらしく。
リアルタイムや直後では到底書くことができなかったとのこと。
そのぐらい朝比奈先生にとっても中学受験が「壮絶な」経験だったそうなんです。
www.bookbang.jp
↑こちらでも書かれていますね。

書いている間じゅう、辛かった。これまで色々な小説を書いてきたが、こんなにも、書きたい気持ちと書きたくない気持ちがせめぎ合った物語は初めてだ。

自分に近かったからこそ産みの苦しさがあったようです。

「二月の勝者」の影響で中学受験(母親の狂気)小説が流行ってる?

ドラマ「二月の勝者」も始まり、にわかに中学受験が世間でもフォーカスされています。
この『翼の翼』は『二月の勝者』でいうところの「母親の狂気」が本当に上手に、丁寧に、圧倒的なリアルさを持って描かれていると思います。
母親の狂気ってこれか!という感じですよまさに。
『二月の勝者』ファンの方は一緒に読むことを強くおすすめします。

「母親の狂気」かはわかりませんが、ドラマに合わせてなのか中学受験小説が今年はたくさん出版されているみたい。

『天現寺ウォーズ 同録 御三家ウォーズ』/佐野倫子。
一応小学校受験がメインの小説のようですが、同時収録が中学受験のお話みたい。
こっちはセレブな家庭がメインみたいだからフィクションとしてちゅりぷ子は気軽に読めるかしら?

☆追記☆読みました!↓
binbojuken2023.hatenablog.jp